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キャドキャムワーク - CAD/CAM WORK -
CAD/CAM WORK 吉次範博

「歯科技工士なんて辞めてしまえ」
 当社に入社する前に勤務していた歯科技工所では、受注、製作、納品と全て一人でおこない、毎日割り振られる100ケースほどを一瞬も気を抜くことなくこなす毎日でした。それぞれが抱えているケースの量が膨大で、インレーを飛ばせば怒鳴られることもしばしば。時には「歯科技工士なんて辞めてしまえ」と叱られることもありました。当時は20代前半。悔しくてその場で泣きましたね(笑)。もちろん「泣くなら帰るかトイレに行け」と言われましたが。

 仕事の量も想像以上に膨大で、1回のミスも許されない。毎日が戦いでしたが、仕事に対する責任感はそこで養われたと思います。

嘘を本当に
 あるとき、歯科技工所の社長から「品質が違う」と注意され始めました。マージンもきっちり合わせて、全力で作ったはずのクラウンの品質が違うと言われても、その当時は何がいけないのかまったくわかりませんでした。いくら努力しても認めてもらえない。そのもどかしさから「辞めます」と言ってしまいました。
 退職後、両親の勧めで故郷・山口県に帰り、当社の採用試験を受けることになり、面接に行くと「1日パターンを何本採っていたか」と聞かれ、とっさに「50本です」と嘘をつきました。本当は適合とパターンで30本ほどでしたが、入社後、嘘を本当にしようと死にもの狂いで50本のパターンを採りました。次第にそれが当たり前になり、同僚と一緒にどうしたらより速くワックスアップができるか試行錯誤し、定時内に100本という目標を達成することができました。それもコンスタントにこなせるようになったころ、上司の勧めでウォルセラムシステムの担当者になりました。ところが、予想以上に本数が伸びませんでした。「製品自体に決定的な弱点があるわけでもなく、大阪では月産600本以上の受注があるのに、なぜ」と考えた結果、受注を増やしたい一心で、ある提案をマネージャーにしました。

吉次範博photo
                                ▲ 笑顔の絶えないCADCAMセンター

営業担当者への売り込み
 それが、中国、四国、九州地区での説明会。まずは、製品を紹介する営業担当者に製品の良さを伝えることが目的でした。各地で「地方の営業担当者に売り込んでくる技工士がいる」と噂になり、「なんて生意気な奴だ」と言われていました。それでも、作り手の顔や製品のコンセプトを知って、自信を持って先生方に勧めてほしいと思い、各営業所長に直にお願いし時間をとっていただきました。

 説明会を開催し始めて、3~4ヶ月。地道な活動が実り、ウォルセラムの受注量が4倍まで拡大し、安定してきたころ、樋口(現常務取締役・生産本部長)から「CADをやらないか」と声をかけていただきました。ちょうど、歯科材料としてジルコニアが出始め、ウォルセラムの縮小も考えられたころで、自分の歯科技工士としての技量が、デジタルという新しい土俵でどの程度通用するか挑戦してみたいと思いました。

CADで歯を設計。パソコンでの作業とはいえ従来法での知識が必要
▲CADで歯を設計。パソコンでの作業とはいえ従来法での知識が必要。

「縁の下の力持ち」としてのプロに
 CAD/CAMセンターに着任して2年が経ち、受注量も格段に増えたころ、「スーパーテクニシャンの試験を受けないか?」と声をかけていただきました。
 徳山事業所時代、スーパーテクニシャンである樋口と木村(大阪センター・サブマネージャー)のデモや説明会に同席させていただくことがありました。そのとき、技術はもちろん、プレゼンテーションスキル、技術者としてのオーラを持ち合わせていながら、誰に対しても丁寧で謙虚なイメージで、私も2人のようなスーパーテクニシャンになりたいと思いました。ただ、2人はセラミストで、私はCADという前工程の技術者ですから、セラミストが花形なら私はよりよいセラミック製品のため、縁の下の力持ちとしてのプロになりたい。それが、やがて患者さんの「口福」につながると思います。

最先端の情報が集まる場所、そして、人をつなぐ場所に
 今後このCAD/CAMセンターを大きくし、最先端の情報が集まる場所、そして歯科医療従事者の交流の場として人と人をつなぐ場所にすることが今の目標ですね。かつて3Kと言われた「歯科技工所」の常識やイメージを覆して、明るいスタイリッシュなセンターを築きたい。

 かつて絶対に認めてくれなかった歯科技工所の社長が伝えたかったことが、今では少しわかってきたような気がします。若い頃の私は、目の前の膨大な仕事をこなすことだけしか考えていませんでした。日々の仕事をこなすのは当たり前。大事なのは、広い視野と夢や目標の明確なイメージを持って努力すること。それを私に伝えたかったのではないかと思います。
いつかある拠点を任されるようになったときには、私に歯科技工士としての基礎を叩き込んでくれた恩師に必ず会いに行こうと思っています。だから、私には立ち止まっている時間がないんですよ。


CAD/CAMセンター 吉次範博Profile
CAD/CAMセンター  吉次範博(ヨシツグ ノリヒロ)
1976年 山口県出身
1996年 福岡医科歯科技術専門学校
      (現 博多メディカル専門学校歯科技工士科)卒業
2002年 和田精密歯研(株)入社
2013年 スーパーテクニシャン認定


所属学会
日本デジタル歯科学会


説明会コンテンツ
最新デジタル技工の現状
CAD/CAMを用いた歯冠修復-成功のポイント-
CAD/CAMシステムを用いたデジタル技工の現状




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