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(162)「育てるのが使命」

メディア 日本歯科新聞 掲載日 2015年03月31日

さじかげん (162)「育てるのが使命」

 久しく会っていなかった知人の訪問を受け、互いに近況を語り合う中で、自然と健康に関する話題になった。健康に睡眠が大事なのは知っているが、寝室の温度や湿度にもこだわっていると教えられて驚いた。適温は18℃で湿度は50%前後なのだそうだ。昔から徹底的に調べるのが彼の特長だが、あらためて学びに年齢は関係ないと感じた。

 介護職に就く方々の研修について聞いたことがある。いろいろな施設がある中で、積極的に研修に参加するところもあれば、まったく参加しないところもあるという。より高度で質の高いサービス提供を目指すのが受講目的のはずだが、参加しないのはそれを放棄するということか。学びには本人の志も大事だが、職場である企業や団体の環境も大事。若い歯科医師が勤務先を決める時は学会や研修に参加できる環境を選ぶという。

 目の前に樹齢40年の黒松の盆栽がある。50㌢ほどの丈からの見事な枝ぶりは手塩に掛けて育ててきた結果だ。40年といえば20歳で就職して定年まで勤め上げる一般社会人と同じ時間。この間をいかに生きて、いかに学んできたか。逆に言えばその職場がいかに育ててきたか。60歳を過ぎた世代の方と会うと、その人がどのような環境で仕事をしてきたかおおよそ想像がつく。定年まで先がある世代が職を辞した時、まったく何もできない事態の半分は職場の責任である。待遇、給与をよくして一生懸命に取り組まなければ、人の育成はできるものではない。退職率などはそのバロメーターだと心得るべきだ。

 4月、職場に新人が来る季節。労働環境の法律がどんどん変わる中で、まずはコンプライアンス(法令遵守)を忘れてはならない。歯科にまつわる仕事を選んだ人たちが幸せであるために今一度「学びと育成が基本姿勢である」と、役職に「長」の付く者は明示する時期である。学びは人生の糧であり、人の育成は職場の生命線となる。
(W/W)

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