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(136)「三方よし」

メディア 日本歯科新聞 掲載日 2012年12月20日

さじかげん (136)「三方よし」

 すでによく知られた言葉であるが、近江商人の心得「売り手よし」「買い手よし」「世間よし」、みんなが満足して社会貢献ができるもの、「三方よし」に学ぶところは多い。

 企業において、顧客満足と社員満足を同等に上げる活動が増えている。歯科治療においても受診側の患者が幸せを感じるには、施術側である歯科医院の方々も幸せでなくてはなるまい。

 先ごろのインプラントに関するマスコミ報道には少なからず偏りを感じている。

 日本歯科新聞社、メディカルコミュニケーションズ(株)の共同アンケートでは、インプラント治療後の満足度を尋ねたところ、「満足-やや満足」の回答率は73%にのぼっている。一般に伝えられているインプラント治療は98%の成功率なのである。それにも関わらず報道に触れた人々に危険度が高いというイメージを植付けたのではないだろうか。

 ある歯科医師はいう。あらゆる医療行為にはリスクはつきものだ。そのリスクをいかにして減らしていくかに取り組み、その説明をするべきだ。

 マスコミはこの点も正確に伝えないと公平性に欠ける。患者は正確な情報の開示を求めているのだ。

  あらためて歯科業界で「三方よし」を提言するならば、医院側は治療リスクを減らす取組みを公平な立場で積極的に情報提供したほうが良い。

 患者側にはマスコミ情報なども参考にして、自らが調べて正しい情報を入手する努力が求められる。

 技工物の製造を担う我々歯科技工士は、例えばインプラント治療を希望しない方々にも提案できるように選択肢を広げて、新しい補綴物を創り出す努力をしなければならない。こうしてそれぞれの立場を認め合って歯科治療の価値を共有することができてこそ初めて「世間よし」と世の中から正しく歯科医療が評価されるだろう。

  近江商人には勤勉・倹約・正直・自立・敬神・崇仏・始末という共通理念がある。

 日本人が持っていた礼節だろう。礼節に欠ける一方だけよしの考えは崩壊への一途をたどる。

(W/W)

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