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(120)鍋を焦がして

メディア 日本歯科新聞 掲載日 2011年07月05日

さじかげん (120)鍋を焦がして

 出張先で自炊し、生まれて初めてアルミ鍋を真っ黒に焦がした。

 ことの起こりは、ホタルイカをたくさんいただき、一人では食べきれないため、佃煮にしたことである。麺つゆを入れて弱火で煮込めば、うまくできあがるはずと思い、火を付けた。すると間もなく電話が鳴り、鍋のそばを離れた。その電話は、交通事故で複雑な“あたりや”被害の話であり、電話を切り終えるまでに30~40分かかってしまった。 

 ハタと鍋のことを思い出し、台所に急いだが、時すでに遅し。鍋の中のホタルイカは真っ黒な黒豆に変身し、しゃもじで擦り取ることすら困難なほど焼き付いていた。鍋くらい買い替えればいいと思うところであるが、昭和初期生まれには思いつかず、何とか焦げを簡単に取る方法はないかと、世のお母さん方に聞いてみた。まず、身近なスタッフにメールで聞くと重層をペースト状に錬り、焦げた部分に30分も浸けておけば取れるのではないかと言う。次に昔からご飯作りの名人と言われるゴルフ友達に聞くと、お米のとぎ汁で煮れば取れると言う。さらに台湾から来ていたロータリークラブのお母さん方に聞くと、卵の殻が良いとか、炭がいいとか、市販のクレンザーでこすればいいとか…。2、3日あちらこちらに聞いてみると、色々な方法があることに驚いた。

 しかし、いずれも決定的なものではなかった。そこでインターネットで検索してみると、重層とレモンやライムがヒットし、それも試してみたが、スーッとは取れなかった。次にヒットしたのが“太陽に半日以上当てる”である。これは正解で、見事に皮がむけるように取れた。今まさにグラインダーで研磨しようと思っていた矢先のことであった。

 この経験から、歯科の技術を連想せずにはいられなかった。技工物作製の5割近くを占める研磨作業なども、お互いにその技術を交換・公開し合って正解を見出すことで、前述の鍋のように効率の良い方法が生まれるはずであると。

代表取締役会長 和田 弘毅

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