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(119)義歯刻印の義務づけ

メディア 日本歯科新聞 掲載日 2011年06月07日

さじかげん (119)義歯刻印の義務づけ

 過去から幾度となく繰り返されてきた自然災害や戦災に、くじけることなく復興を遂げてきた日本であったが、またしてもの大震災とは...。この悲しみと悔しさは、決して言葉などで言い表すことはできない。

 被災されました皆様に衷心よりのお見舞いと、一刻も早い復興をお祈り申し上げます。

 現代はあらゆる産業が血管のように絡み合っている。一瞬のうちに大きな影響が全国に及ぶ。社会は豊かさを求めてあらゆる物に価値をつけることを競ってきたが、本当に必要なものは何なのかを思い知らされる。 

 いま被災地では身元確認のために多くの歯科関係者が活動されていると聞く。大災害や大事故、そのほか日常起こる事件でも身元確認に携わる先生方やスタッフの皆さんのご苦労はわれわれの想像をはるかに超えているのだろう。

 加えて、現地で救済活動に就く人自身が受ける精神的なダメージを思うと、われわれにもできることはないのだろうかと考えずにはいられない。日本歯科新聞社が発行する『アポロニア21』2011年4月号に、「義歯刻印ボランティア活動14年間で6万4千床」という記事が掲載されていた。これは高齢者施設に入居している方の義歯に名前を刻印する活動を紹介した記事であったが、文末に「いざという災害時の身元確認にも有効となる」と締めくくられていた。

 義歯刻印は最初にオーストリアで提唱され、世界的には法医歯科学の分野として約80年の歴史があると聞いた。法的に刻印を義務付けている国もあるそうだ。

 既に日本でも平成8年ごろから「グラボグラフ」という器械を使用して金属床義歯への刻印が行われている。また、クラウンブリッジ等に患者さんのイニシャルまたは病院や診療所のロゴマークを刻印する活動が平成17年から実施されている。

 考えを飛躍させるならば、もしも国内で統一されたルールができれば、こと身元確認に関しては大きなメリットになることは言うまでもない。これまではあまり注目を集めるような話題ではなかったであろうが、まさにこの時期に世の中に問うてみることも意義があるのではないか。歯科技工の技術が"いざという時"の有用性が高いとの評価から、われわれが社会貢献できる大きな道筋と言えよう。

 今回の大震災を境に日本人の価値観は大きく変わるかもしれない。

代表取締役会長 和田 弘毅

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