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(116)「どっちが大事か?」

メディア 日本歯科新聞 掲載日 2011年03月01日

さじかげん (116)「どっちが大事か?」

 鮎釣り名人から聞いた話によると、釣果を得るには、まず最初に石に鮎の食(は)み跡があるかを確かめること。次に鮎は人が入りにくいポイントにいるため、そこへ行くこと。最後に鮎を引っ掛ける針先は常に鋭く研いでおくことが大事だという。どうも釣りの装備や仕掛けの充実にとらわれがちだが、実際にはそれよりもこの三点に気をつける方がよほど大事というのだ。 

 ゴルフではよくボールの品質が取り沙汰されるが、基本であり、かつ大事になるのがティーアップだということを経験者は知っている。

 ほかにも、現代では当たり前になりすぎて勘違いしがちなことが多々ある。例えば今やコンビニの飲料水がガソリンよりも高いことは知る人ぞ知る事実である。

 いわば社会全体が付加価値をつければ売れるという概念を持ちすぎで、故に商品が複雑化して、本来どっちが大事なのかが混乱してきているのかもしれない。

 物事はどちらが大事になるのかをよく見極めることで結果は大きく変わってくる。

 お金は経済を動かすため、たくさんあるに越したことはない。しかしその反面、持てば持つほど何かと大変な面が出てくる。

 経済は、お金の動きと人の気持ちの相互関係で動いている。アジア諸国の発展が目覚しいのは、人間の営みに活気があることでもわかる。今やアジア諸国から欧米諸国の大学への留学生の数は日本を遥かに凌いでいる。要するに真に大事なのは、お金よりも挑む勇気なのではないか。 

 人生には仕事以上に大事なことがある。人類の未来を考えれば子孫を残す本能の方だ。人類の永遠の繁栄はこれにより支えられているといっても過言ではないだろう。

 また企業にとって利益以上に大事なことは社員の幸せである。利益とは目標達成の手段にほかならない。これは歯科界においても同様で、歯科医療は先生方とそこに従事するスタッフ全員の幸せを通じて行われることが理想である。本当に大事なことは患者さんの主訴を納得のいく形で解決することであり、われわれ歯科技工士にとって大事なことは、その主訴に沿った補綴物をお届けすることだ。

 どっちが大事? まずはわれわれの本当の幸せとは何かを勇気を持って考えることから始まるのではないだろうか。勇気で得た結果には、決してお金では買うことのできない真の誇りがついてくる。  

代表取締役会長 和田弘毅

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