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(113)人間力

メディア 日本歯科新聞 掲載日 2010年11月16日

さじかげん (113)人間力

 デンタルショーや各種学術大会の展示会場では、新製品や新しい材料の陳列のほか、医院経営への提案や患者の快適性まで考えた、時代に沿った品々やシステムが紹介されている。

 本来、デンタルショーとはモノありきで、それによって人があつまる。しかし、会場では出展企業の営業マンをはじめ、ほとんどの人が知り合いを見つけては、「やぁやぁ」と声を掛け、会話を始める。つまり、あいさつも商談も品物よりも先に、人の縁によって始まるものなのだ。

 ネットを使って買い物をする時などは例外かもしれないが、知らない人とは仕事はできない。いずれにしても最初に「輪」を築くことが仕事始めになるのかもしれない。

 われわれの業界も「輪」、つまり人と人とのつながりが大切だ。そしてこの「輪」のなかに、協調や調和の「和」のエッセンスを加えることができるともっと仕事は充実したものになるだろう。輪と和を融合させてネットワークを創造するのは人間力である。人間力とは、理念、価値観、感性、創造力、技能、行動力など、これらの総合力だと思う。

 こう考えると、ますますデンタルショーのあちらこちらに輪と和のスクラムを見てとることができる。

 

 面白い経験がある。社員の一人を連れて出張した電車の中での出来事だ。

 二人の座席の周りを外国人の団体に囲まれたことがあった。口ひげの男性ばかり8人の集団であったが、メキシコから電気系の技術研修に来ていて、これから帰国するということが分かった。

 そのうち連れていた社員がメキシコ人の有名なサッカー選手の名前を出して話しかけた。途端に口ひげ集団は一斉にわれわれを振り返り、そのサッカー選手の名前を叫び出して大合唱になってしまったのだ。これを国境を越えた輪とは言い難いが、ことほど左様に人の輪における「共通の人」の果たす役割は大きい。

 

 いずれの業態においても人の輪と和のスクラムは成功への道であることは間違いない。その源である人間力を豊かにすることにビジネスチャンスがある。

 商売はモノ優先ではなく、社屋店舗といった建物でもなく、ましてやお金だけではない。人と人のつながりである。最初に人、その後に価値、品質、納期、価格がついてくる。

 海外でたまにあるのだが、人懐っこい笑顔で近寄ってきて、日本人の俳優やスポーツ選手の名前を連呼しながら土産物を売りつけにくる子供。けなげであるが、したたかでもある。商いのツボを心得ているではないか。(W/W)

代表取締役会長 和田弘毅

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