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(107)うん、これいい

メディア 日本歯科新聞 掲載日 2010年05月18日

さじかげん (107)うん、これいい

 かつてはIT革命という言葉を頻繁に聞いたものであるが、仕事の道具としてパソコンが開発されてきた1970年から97年。それから2006年までにパソコンを利用して情報交換する「ネットの時代」が築かれてきた。

 そして今後は「クラウドの時代」になるとビジネス雑誌には書かれている。クラウドの時代とはネットを雲に見立てて、相互に接続されたサーバーが様々なサービスやソフトを提供し合う時代……とあった。

 今更ながらクリエイティブな発展を続けるIT分野には目を見張る。毎日使っている携帯電話もネットを利用する機能やパソコンと連動する機能が付いていて、旅先でも、ある程度の仕事をこなすことすら可能になった。

 非常に便利ではあるのだけれど、いささか持て余してもいる。日本の携帯電話を「ガラケー」と揶揄(やゆ)する言葉を聞いて複雑な気持ちになった。ガラパゴス諸島のように世界の中で独自に進化しすぎて孤立しているという意味であるらしい。独自に進化しすぎると一般には受け入れにくくなることは理解できるが、そこには開発に努力してきた人がいて、企業がある。

 しかし現実に情報機器やソフトの数は膨大にありすぎて簡単に選ぶことすら困難だ。これは既に情報選択機能が人のキャパシティを超えているということだ。

 さて、その中から上手く自分に適したものを選択する方法はないだろうか。自分のライフスタイルやビジネスモデルに合わせてハードやソフトを選ぶのは当然だろうが、恐らくは機能重視、見た目重視、価格重視などに区別されることは予想できる。

 ここからである。

 「うん、これいい!」と自分に最も適したモノと感じるためには?

 「良薬口に苦し」と、よく聞く言葉である。一方、漢方の先生のお話では「自分にとっておいしい」と感じるものが身体に機能するのだという。「おいしくないものは機能しない」ということでもあるようだ。

 ヒントは触覚や味覚などの五感に響くもの。「ピン!」と第六感が働くような生理的欲求にかなうモノということではないか。

 これは歯科にも大いに言えることだ。

 患者さんに「うん、これいい!」と感じて、受け入れてもらうためには、補綴物が「おいしく、気持ちよく食べられる義歯」でなくてはならないと考える。

 「美味しいなぁ」「楽やなぁ」。

 「温かくてええなぁ」温度を感じることも大切だ。

 若き三成は秀吉から所望されたさ湯に温度の変化を与えたというではないか。五感に響くものは人生をも変えるかもしれない。

 ついには低反発マットのように触り心地がよく、変幻自在に形を変える携帯電話なども開発されてくるのだろうか。

(W/W)

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