(106)鉄は熱いうちに打て
| メディア | 日本歯科新聞 | 掲載日 | 2010年04月13日 |
さじかげん (106)鉄は熱いうちに打て
この冬は寒さが厳しく、各地で大雪のニュースが報道されていたが、ようやく木々の芽吹きに春の訪れを感じる季節に移ってきた。
晴天の陽気に誘われて近所の城址公園に出かけてみたが、やはり春の光には静かに心が躍るものがある。古い時代に組まれた石垣もまた新しい春を迎えようとしている。
そしてこの季節は、それぞれの職場において新しい仲間を迎える時期でもある。
「鉄は熱いうちに打て」。
職場に新しい仲間を迎える時には最初に職場の理念を教えることが大切であることは周知の事実。新人たちの目は希望に満ちて輝いている。
それと同時に「鉄を打つ側」も同じような希望に輝く目を持っているだろうか。ここが大事だ。
例えばお城の石垣を組む仕事もただ単に石垣作りの作業を個々人に与えたならば、夜明けから日暮れまで決められた作業をするだけだろう。
ここにリーダーが現れると「組」を編成し、優秀な組頭を選び、成果に見合った褒賞を出し、それぞれの組を競わせて仕事の効率アップを図るだろう。こうなると徹夜で頑張る「組」も出てくるかもしれない。
しかし、ここでリーダーが、自分たちの理念とビジョン、お城を作る目的や石垣の必要性の一言を説いたならば結果は変わる可能性が出てくる。作業をする誰かから「ではもっと反りのある石垣を組もう」「更に頑丈な石垣は組めないだろうか」と工夫をこらした意見が出てくるかもしれない。
こうなると単純な石組み作業から専門的な石組みの仕事に変わる。仕事師はプロ集団だ。
仕事が発展するということは、行動から考動へ、そして仕事へと変化していくことである。それには、「私たちは何のために存在し、何のために仕事をするのか」というはっきりとした理念が最初に提示されなければならない。
だからこそ、今この時期を逃してはいけない。クリニックそして企業が公共性公平性を基に社会に意義ある存在であるということを鍛えこまなければならない。
お城の石垣が毎年穏やかな春を迎えているように、我々も未来につながる仕事をしていきたい。
「鉄は熱いうちに打て。意味ある打ち方をせよ。」(W/W)
代表取締役会長 和田 弘毅






