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(97)食べられる歯

メディア 日本歯科新聞 掲載日 2009年06月16日

さじかげん (97)食べられる歯

 「ヤァーッ」という人材育成の新聞がある。そこに寺松輝彦氏が「医食独論」というエッセイを書いている。もう二百数十回連載され、その中で「膝痛には軟骨を食べるといい」という話があった。

 同い年の従弟が数年前から「膝が痛い!! 膝が痛い!!」とゴルフをするたびに訴えるので、私が「あまり甘えるな。そんなに痛ければ手術をすればよい」と言えば、「手術は絶対にしない」と情けないのだが、なんだか可哀想に思っていた矢先にこの情報を知った。

 著者の寺松氏も数年間、膝痛に悩み、あらゆる治療を試みたそうだ。カルシウム剤、グルコサミン、コンドロイチン、マグネシウム、ビタミンD、コラーゲンなどを次から次へと買い求め、それらを服用していたという。記事では、偶然焼鳥屋でスジ肉と軟骨を食べ、それを2ヶ月ほど継続した結果、痛みが全快したと報告されていた。

 ふと我が身の回りを観察すると、孫の一人が魚の目玉が大好きで、一緒に食事をする時には全員から魚の目玉を集めてまわり、一人で美味しそうに食べる。両親が近眼の家系にもかかわらず、わりあい目が良い。そのうえ勉強好きである。

 私は無類の愛飲家であることを警戒して、肝臓のために定期的にレバーを食べている。先日、尊敬する石原結實先生にお会いしたので「漢方では他の動物の臓器を食べると、自分の同じく弱いところが補強されるというのは事実ですか」と尋ねた。

 石原先生は即座に「その通りです。目にはDHAが含まれていますので、頭も良くなるのです」と答えてくれた。

 私は痛風を患っている友人に、「免疫学者の安保徹先生がおっしゃるように、煮干やチリメンジャコ、玉子など何でも丸ごと食べれば健康によいのではないか」と言うと、残念にも「チリメンジャコは食べられない」と素直に聞いてくれない。

 そんなある時、薬膳料理を台湾で勉強している伊豆の民宿の主人にこの話をすると、「野菜も果物も何に効くのかについては“薬膳教本”という本の中に書いてありますよ」と教えてくれた。
これらの話を見聞きして、わかったことであるが、医食同源は、食事を予防や治療の薬としてバランスよく摂ることであるとの結論に達した。もちろん食べ過ぎは良くない。

 しかし健康の維持増進のためのバランスのよい食事を摂るためにも、それを噛み砕き、すり潰す、健康で丈夫な歯がなければ医食同源の意味がなく、1日に4万8千本も歯が抜かれるという日本の現状を改めて考えさせられる。

代表取締役会長 和田弘毅

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