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(95) 尊尊(とうとう)我無(がなし)

メディア 日本歯科新聞 掲載日 2009年04月07日

さじかげん (95) 尊尊(とうとう)我無(がなし)

 NHKの連続テレビ小説「だんだん」は人気番組で、この3月に終わるまで楽しくみていた。「だんだん」を国語辞典で調べてみると「だんだんありがとう」の略であった。また近世後期から京の遊里で用いられた挨拶語で、「いろいろありがとう」という意味もあるらしい。

 そんなある時、鹿児島の最南端にある与論島を訪れた。沖縄本島の本部港から大型客船で約2時間航行すれば与論港茶花(ちゃはな)に到着する。船上から美しい南の島の景色を背景に民宿の迎車プラカードが大きく揺れて見えた。

 与論島は船から降りたとたん、何十年も前にタイムスリップしたかのような、戦前の日本の良さを残すのどかな島であった。島の人々は皆親切で、小学生や中学生もコンビニの前でもどこでもいたるところで挨拶をしてくれる。何か挨拶王国のような感じである。

 その時ふと、日頃聞きなれない「とうとうがなし」という言葉を耳にした。注意して辺りを見渡すと、島のあちこちや学校の看板に「尊尊(とうとう)我無(がなし)」と書かれてあった。

 よくよく聞いてみると、この島では「ありがとう」のことを「尊尊我無」と言うらしい。「だんだん」といい「尊尊我無」といいこれは面白いと感心した。

 帰り際に、港のお土産店の姉様に尊尊我無について尋ねると、「あなたが大事」という言葉を使って「尊尊加那志」とも書くことを教えてくれた。

 後日、インターネットで調べたところ、土佐の芋焼酎に「尊尊我無(トートゥ ガナシ)」という商品があった。その商品の紹介には、「人と人とが出会う時には、我を無くして相手を尊ぶ気持ちを持ちましょうという、南の島ならではの大きい気持ちが込められているようで、たいへん良い言葉ですね♪」とあった。

 与論島には2軒の歯科医院がある。また、お土産店の姉様に、歯医者さんも患者さんが帰る時に「トートゥ ガナシ」と声をおかけするのか聞くと、「同級生が歯医者だから聞いておきます」とのことであった。 

 後期高齢者の手習いというのか、この年になっても新しく学ぶことはまだまだたくさんあるものである。

代表取締役会長 和田弘毅

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