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(89)時給改善で歯科技工士確保

メディア 日本歯科新聞 掲載日 2008年09月09日

さじかげん (89)時給改善で歯科技工士確保

 
 今後の学校教育の在り方を考えるため、滋賀県歯科技工士専門学校が地元の歯科技工所と懇談会を行った。大変素晴らしい企画なので数年前から出席を希望していたが、うまく日程の調整ができず、やっと今年、初参加できた。
 
 学校長をはじめ理事の方々と技工所経営者数名という、自由な発言のできる規模で、主催者の意図する会議内容に沿った議論ができ、実り多い結果になったと思われた。やはり話題の中心は歯科技工の海外委託や、減少の一途を辿る歯科技工学校入学者の問題などがあり、技工学校の相次ぐ閉鎖にもつながると捉えていた。
 
 私見を述べるが、海外委託問題は健康保険と自由診療に区別されるが、健康保険技工は超不採算の国内実勢料金であるため、利益本位の中国体質では手の出しようがなく、わが国の医療のように仁術的ボランティアをしないはずである。
 
 自由診療は料金競争に勝てる可能性があるものの、幸か不幸か日本の多くの臨床家は、指示書を書かず口頭で指示する習慣があるため、一度は外注しても、二度目、三度目はコミュニケーションで不満を募らせるはずである。要するに海外に日本人技工士がどれだけいるかによって決まる。
 
 次に歯科技工学校及び入学者の激減であるが、福島県立衛生学院歯科技工科に籍をおく身からすると、県側にかなり誤った情報がある。つまり「歯科技工士過剰」を理由に閉校を目指していると考えたくなる。
 
 かつて技工士会と議論し、常に歯科医師一人に2人の技工士が必要であると主張していた。しかし、なぜか技工士過剰という方向になり、意見の一致を見ることはなかった。技工士会側のその見解が今日の技工士不足を招いているのかもしれない。
 
 そこで解決方法の提案である。コンビニの時給より安い600円某の時給では、学生はコンビニに勤めたほうがましである。コンビニの時給800円より100円高い、現状より300円改善するだけでも、技工士学校入学者は増えるかもしれない。
 
 やや誤解を招く表現になるかもしれないが、現実的には今、人手不足の改善に役立つのは、仕事のできるできないとか、優秀な人材の要請ではない。時給をいくら払って確保するかを真剣に考えなければならない時である。
 
(このところ歯科技工士の時給は1656円として技工料金を計算される。プレジデント2006年11月13日号参照)

代表取締役会長 和田弘毅

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