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(84)3月16日 テレビ東京

メディア 日本歯科新聞 掲載日 2008年04月01日

さじかげん (84)3月16日 テレビ東京 

 3月16日にテレビ東京の「トコトンハテナ」という番組で、歯科補綴物の保険診療費と自由診療費の違いについて取り上げた内容が放送された。番組では、義歯には触れておらず、セメント固定のクラウン、特に白いクラウンの価格について取り上げられていた。そこでは硬質レジン冠とメタルボンド冠の違いが主であり、オールセラミックスまでは言及されていなかった。我々歯科人にとって、硬質レジン冠とメタルボンド冠の違いを説明することは極めて易しいことだが、この二つが使用後にどう変化していくのか、口腔衛生にどう影響するのか、審美性はどう失われていくのか等々、耐久性と機能性に関することは棚上げされていた。
 
 インフォームドコンセントが叫ばれて久しいが、なかなか熟知していただきたい情報が周知されていない現実を痛感させられた。
 
 さて、私自身も最近、患者としてあるクラウンの問題に遭遇した。数年前に治療したインレーとダブルクラウンが咬合調整中に突然はずれたのである。そのセメント接着面を見ると、分厚いセメント層がありありと残っている。しかもそのクラウンには、まったくセメントが残っておらず、嵌合力にて口腔内に存在していたのである。この二つがとれると悪臭が漂い、これが歯科に身をおくものの口腔内に存在する修復物であるのかと恥じ入った。
 
 また、燐酸セメントの耐久期限を計算に入れて、セメント装着の賞味期限ならず有効期間を保証しなければ、患者としては納得いかないものである。このセメントの問題は接着レジンによって随分、改善されてはいるものの、保証の限りではない。もう一つの問題なのは、いわゆるブラックマージンである。前述の補綴物に比べ、オールセラミックスには不思議とブラックマージンがほとんど見られない。
 

 レジンとセラミックスの違いについては、電子顕微鏡で観察した表面性状を見ると一目瞭然である。しかし、ブラックマージン、耐磨耗性、耐久年数の保証を含めて、まだまだ解決すべき課題は多いが、放送された番組の「トコトンハテナ」には十分な説明がなく、ある種の大きな誤解を招くものと心配であった。こういうこと、つまり正しい情報が提供されないと、歯科医師が適切なインフォームドコンセントをするときの障害になるかもしれない。更に、歯科治療に対する不信につながりかねないと懸念する。

代表取締役会長 和田弘毅

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