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(77)歯科の基幹産業

メディア 日本歯科新聞 掲載日 2007年08月21日

さじかげん (77)歯科の基幹産業

 
 第22回日本歯科産業学会が徳島県郷土文化会館で開催された。
 
 シンポジウムは「先進骨再生材料と骨再生治療の最前線」という演題で、外国の研究者を交え、基礎分野の発表、臨床家の発表と多彩で素晴らしい内容であり、「新生骨と歯科材料の分野」の進歩を物語っていた。
 
 義歯からインプラントと、時代は安心で安全なインプラントへと急速に変貌している中で、私は「義歯の種類と機能」を一時間半に亘り、協賛セミナーとして発表した。
 
 何か時代遅れの感もあり、淺岡憲三大会長に「このテーマを取り上げていただいたとはいえ、今時、老朽化した義歯の種類を報告して、すみません」と申し上げると、理工学者の大会長は「そんなことはありません。何と言っても義歯は日本の鉄鋼産業と一緒です。鉄がなければ、自動車も携帯電話も作れません。絶対のものです。義歯こそ日本の歯科における基幹産業です」とおっしゃった。私はこの言葉に救われ、「いや、そうなのだ」と素直に喜んだ。
 
 どんなに良い土台、即ちインプラントができても、肝心の咬む機能を担う上部構造物が優れていなければ、咬合機能は果たせないのである。補綴学分野の仕事に携わる者が、基礎分野の理工学者に悟らされた一節であった。
 
 今後、高齢化社会を迎え、新しい時代の働き手は歯科技術者においても、団塊の世代の復活にあると言われている。いつまでも、いくつになってもチャレンジできる義歯作りは、歯科界にとって頼もしい存在である。
 
 その夜、懇親会の席上で歯科医師会のリーダーと「義歯が最終の演者であること」、「保険の義歯と自由診療の義歯」について話し合った。
 
 リーダーの歯科医師から「何と言っても、患者に喜ばれるのは快適な義歯が一番だよ」と言われ、「歯科の〝鉄〟は、やはり義歯である」と確信を得た夏の学会であった。

代表取締役会長 和田弘毅

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