(74)静かに
| メディア | 日本歯科新聞 | 掲載日 | 2007年05月15日 |
さじかげん (74)静かに
第26回 フジサンケイレディースクラシックを川奈ホテルゴルフコース・富士コースで見た。
優勝者は、学生プロの佐伯三貴選手。まさか女子プロの試合を、しかも2日間にわたって見る機会があるとは夢にも思わず、招待いただいたことに感謝し、望外の幸せだった。
そして、そこから何を学んだかを考えること、しきり。結果、まさに丁寧というか時間を掛けるというか、最後の18番ホールで、選手の超まじめさに感動したのである。
折も折、塩田博文氏の随筆『救歯に一生を得る』を読み、その中に「どういう歯医者さんにかかったら良いか」と尋ねられたという話があった。
塩田氏は、「治療時間が長くて、なるべく歯を抜かない歯医者は良い先生だと思う。もちろん治療期間がいたずらに長いのは問題があるが、時間をかけて丁寧に治療をするのは良いことである」とおっしゃっている。歯を救おう、救おうとすれば、こうなるらしい。
プロゴルフの世界と重ね合わせると、何か共通するものがあるように思える。
とにかくゴルフの仕上げは、そのアプローチとパッティングにあり、最後の最後に、方向と距離を決める判断の過程では、まったく手を抜かないのである。決断までの丁寧さ、まじめさは、一打ウン千万に価するだけにすごい。
何と言っても、この集中力を生む環境を提供してくれる、その一瞬が素晴らしかった。それは数人のボランティアが持つ「静かに」という立て札が一斉に上がり、ギャラリー数千名をシーンとさせる瞬間なのだ。
歯を残す歯科医師もプロ、ゴルフの最後の一打を決めるプロゴルファーもプロ、お互いに最後の決定をする瞬間は「静かに」かもしれない。
代表取締役会長 和田弘毅






