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(64)医療機関の広報

メディア 日本歯科新聞 掲載日 2006年07月11日

さじかげん (64)医療機関の広報

 
 しばらく東京の友人M氏から電話がないので、こちらから「どうですか、東京の歯科は?」と尋ねると、開口一番「歯科医院も新患がまったく減り、紹介以外に患者がこなくなっている・・・」と、昨今の歯科界の危機をにおわすような発言である。全部が全部そうではないにしても、歯科医院からの積極的な広報活動が必要とされていることは否定できない。
 
 かつて、週刊雑誌が病院の手術数を公表して話題になったことがあるが、インプラントの経験症例数が問われるのも時代の波で、量が質を意味するという解釈からなのであろう。そんなとき6月10日に開催された「医療機関の広報セミナー」に参加した社員からこんな話を聞いた。
 
 インターネットの利用者も約8千万人となり、国民の二人に一人がインターネットを利用する時代、10年前とは比べものにならない程の情報が入手できるようになった。されど、医療情報が足りてないと答えた人は過半数以上の52.6%に上る。医療情報の伝達手段としては、やはり口コミが一番とのことだ。口コミも信用度は高いけれど万能の手段ではなく、これからは患者意識を考慮した客観情報、すなわち信憑(しんぴょう)性のある数字を持つ医療機関が支持される時代になってきているという。例えば、義歯もインプラントも何症例作り、残っている健全歯を何年維持することができたなどのデータをもつ医療機関は、自ずと患者が集まってくるということである。
 
 現実的に、特に若い世代に顕著のようであるが、情報による医療機関の選択は急激に高まっているようだ。
 
 少し視点を変えて医療情報の過不足をみると、物理的に医療情報が少ないのではない。街中にはたくさんのものが標榜されている。ただ法的な規制もあって、表現がかなり限定され、患者が決断するのには及ばない状況がそこにあるのだ。それを補えるものが、今やそれぞれの医療機関のホームページ、すなわちインターネットである。インターネットは四大メディアの一つであるラジオを抜き、パーソナルメディアからマスメディアへと変化しつつある。今もなお拡大傾向にあり、影響力もかなり大きい。特にオフィス街の医療機関では、患者の30%がインターネットで検索して来院しているという。
 
 このような環境下でも医療情報の不足感があるということは、情報は多いが、欲しい情報が少ないということである。これから、公正な治療の評価が確立し、信憑性のある数字で情報公開できる環境が整えば、テレビ・新聞・雑誌などのメディアにも取り上げられ、結果的に、かなり広範囲の広報が可能となる。また、そうなることによって医療情報が不足と感じている過半数以上の層を動かすことができ、予防やアンチエイジング、介護の減少にもつなげることができる。結果、健やかな老人が増え、世界に誇れる真の長寿国・日本を生み出す可能性も秘めている。

代表取締役会長 和田弘毅

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