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(63)日本における歯科コーディネーターの可能性

メディア 日本歯科新聞 掲載日 2006年06月13日

さじかげん (63)日本における歯科コーディネーターの可能性

 
 日本は、資本主義国か社会主義国か? この業界に身をおいて、この十数年間、疑問に思っている。
 
 誰が言ったのか、「日本は最も成功した社会主義国である」という言葉を聞いてなるほどと共感をおぼえた。つまり保険制度そのものは社会主義的であるということだ。
 
 昭和36年にスタートした国民皆保険制度であるが、制度そのものについて今、私たち業界人も国民も重要な岐路に立たされていることは、大半が感じていることであろう。私たち歯科医療に携わる者が、自ら「保険医療制度がなくなったら」という仮定で、医療サービスのあり方を考えるべき時期である。
 
 さて、本紙でも、韓国Ye歯科の記事などで度々紹介されているが、韓国では、十数年前から歯科医療サービスの在り方を根本的に見直す動きが始まっている。ここ数年で大きく変わってきており、日本は総じて遅れをとっているなぁというのが本音である。
 
 今年の3月、社員を「Ye歯科」のセミナーに参加させた。その社員の報告では、「医院の経営にはビジョンが必要」、「理想とするサービスの提供を行うためには、それだけのチャージが必要」、「収益をもたらしてくれる患者様を徹底して大切にすべし」等、いろいろな言葉が飛び出してきた。
 
 現代は情報化社会と言われているが、歯科医療において、どれだけサービスを受ける側に必要な情報が届いているであろうか? これは先進国と言われる日本で、歯科医療が低迷している大きな要因として考えられるであろう。
 
 隣の国、韓国にそのお手本があると思う。それはコーディネーターの存在である。実際に、視察先のほとんどの歯科医院に彼等は存在しており、提供するサービスの価値を高めることと、相互の情報を伝えることを目的として日々活動している。
 
 コーディネーターは、来院者と歯科医院との間で、意思疎通を図ることを大切な業務の一つとしている。なぜ来院したのかその理由を聞き出し、信頼関係を高め、治療の選択肢を解説しながら開示するなどの業務をこなしている。診療補助や歯科衛生士などの臨床業務から離れた位置づけで業務を行い、少しでも来院者の立場に接近しようとして業務を行っている。
 
 極端に思えるかもしれないが、来院者にお茶やコーヒーなどをお出しして、世間話をすることも業務とされている。医院によっては、1時間以上来院者と話をさせているところもあるという。「そのようなことは、保険診療主体では出来ない」という意見も当然出てくると思われるが、保険診療がなくなった翌日から、果たして出来るであろうか。「その日のために」今から備えておくことが必要ではないかと思われる。すなわち、短期間に歯科コーディネーターの養成をすることである。

代表取締役会長 和田弘毅

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