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(62)スープと中身汁

メディア 日本歯科新聞 掲載日 2006年05月16日

さじかげん (62)スープと中身汁

 
 ミス上海かミス中国か、ラジオの放送で聞いた話で定かではないが、中国きっての美女が、「日本のラーメンのスープは、どの国のスープよりもおいしい」と言ったのを聞いた。
 
 戦後、発明品の中でナンバーワンは、関西の安藤百福氏が発明した「日清即席チキンラーメン」であると聞いている。この延長で、今日のインスタントラーメンを充実した食品に育て上げた。確かに海外旅行のお土産に、日本のインスタントラーメンを持って行けば喜ばれる。
 
 先日、同僚が集まる夜食に加ト吉社の「広東拉麺」を調達してあったので、もてなした。冷凍うどんでも名を成した加ト吉がラーメンも手掛けるようになったのかと思い、「試しに食べてみるか!」とラーメンにお湯を注いで3分後にスープを入れると、これがまた美しいスープの色であった。そのせいもあってか、さらに美味であった。また、国内線の飛行機で、「飲み物は?」と聞かれ、「スープ」と答えて出てくるこの味も良い。
 
 さらにスープという料理は美味しいだけではなく「栄養が豊富」なんだ、という話を紹介することにしよう。
 
 沖縄の旧正月に、仲村善栄さんという89歳の今も「追い込み漁」(※1)で海を泳ぎ回っている海人(漁師)と対談した。偶然にもその時、「僕は汁が大好きなんですョ」と正月料理をご馳走してくれた。その汁は、たぶん「中身汁」(※2)と呼ぶ具が盛だくさんに入っている料理であった。
 
 昆布に貝、大根に人参、しいたけ、こんにゃく、そして沖縄のてんぷらと超豪華な汁で、「これが好きなら長生きで元気でしょう」と感心した。何十年も沖縄に行っていて、はじめて味わうご馳走であった。
 
 「口福」を提唱している一人として、ごちそうを馳せ走ってみました。
 
 私はうまいスープで生きているのであって、立派な言葉で生きているのではない。 (モリエール)     
 
※1 追い込み漁
    漁師自身が海の中で網をはり、そこに魚を追い込む沖縄の伝統的な漁。
 
※2 中身汁
    盆や正月、お祝い事の時に作られる沖縄の代表的な内臓(モツ)料理。

代表取締役会長 和田弘毅

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