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(53)医療の国際事情

メディア 日本歯科新聞 掲載日 2005年08月09日

さじかげん (53)医療の国際事情

 
 日本の経済はアジア諸国の中で、かつてはピカ一の力を発揮していたが、今ではその成長は円熟期に入り、足踏みしている。しかし日本は貧富の差が少なく、国民が平等に福祉の恩恵に浴していることでは、他のアジア諸国より秀でているのではないかと理解している。
 
 ところが医療においては、医療費の増大が続き医療経済が赤字になる昨今にもかかわらず、良質で高度な医療が提供側の努力によりなされている。そして国民はその恩恵を過剰に蒙っているように思う。一方、需要側である国民はそのことを認識していても、幸せであることを表現しているのをあまり聞かない。従って、国民は日本の医療の実情を案外わからないのかもしれない。
 
 そんな中、国が富み、その結果として医療も他国と比較して充実していると思い込んでいたのであるが、先月、一ヵ月間にロシア、韓国、タイの三ヵ国を訪れる機会があり、歯科医療機関を中心に視察をした際、その建物や設備を見て、あっと驚いたのである。
 
 ロシアで訪問した従業員約40人の歯科医院には、患者用の素晴らしいロッカールームがあり、診療室はすべて個室で、設備、器材類はヨーロッパ製の最新式のものが揃えられている。
韓国では、歯科医院の待合室は、まるでホテルのロビーのようであった。天井のデザインは素晴らしく、パーティションで仕切られたパソコンが何台もあり、待ち時間にはゴルフ等、趣味のサイトを見ることができる。
 
 そしてタイでは、小児歯科でも最高の咬合器を使い、インプラント治療も自由に行われている。また、私立病院には日本人専用のセクションがあり、日本人が不自由なく形成外科、耳鼻咽喉科等の治療を受けることができる。「医療はタイへ旅行をして」という感覚である。
 
 医院のスケール、患者に対するサービス、国をあげての医療政策、いずれを取っても、もしかすると日本は「保険医療」「福祉改革」のために競争力を失い、完全に遅れを取っているのではないだろうか。

代表取締役会長 和田弘毅

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