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(45)枠あり、境界なし

メディア 日本歯科新聞 掲載日 2004年11月30日

さじかげん (45)枠あり、境界なし

 
 規制緩和が叫ばれ、構造改革の一つとして進められているようだが、歯科界においても、歯学部・医学部統合といった学際的変化が起きている。どの分野も、過渡期においては賛否両論の意見が出され、論議されつつ進展していくのは、世の常である。
 
以下は、ある長老歯科医師の提言である。
 
 「歯科界においては、歯科医師法、技工士法、衛生士法のもと、歯科医師と技工士、歯科医師と衛生士の業務範囲を明確に決定した上で、歯科医療の広範囲な業務をカバーする有資格者を育ててきた。歯科医療の安全と業権を守るため、たてまえでは補助者の業務範囲は明確に制限してあるが、実際、臨床現場では、歯科医師の業務と、技工士、衛生士の業務との境目には明確ではない部分が多々ある。規制緩和が進んでお互いにオーバーラップした状態となり、両者の繋ぎ目がより強固になってきたような気がする。
 
 それぞれの業務の境目を明確にするためには、歯科医療が標準化された上で線を引くのが妥当であるが、何度試みても、歯科大学、歯科医師会、また歯科技工士会、歯科衛生士会でも、標準化はされないままである。
 
 歯科技工においては、技工物の作り方を熟知されない歯科医師が、技工物の設計指示書を書かない・書けないという状態がますます激しくなっており、指示書を技工士まかせにし、厚生労働省もそれを取り締まらずに放置している。このことは元来、指示書が保険点数に計算されないところに原因があるようで、憲法第9条ではないが、早く改正した方が良い。もしそうでなければ逆に、作成書については技工士に権限を与えてやるのも一つの方法かもしれない。
 
 また、現在、技工士は材料代すらもらわずに技工物を再製し、無料奉仕することが習慣になっているが、もし技工士が試適、咬合調製をできれば、再製にならないケースも少なくないであろう。歯科医師管理のもとに試適や咬合調整をすることが認められれば、歯科医師と技工士の境界問題の原因は、かえって取り除かれるのではないだろうか…。」
 
 それにしても、その前に、「歯科技工士よ、もっと上手になれ」と言われるのではないかと思いますが、この仕事だけは、急に上手く早くできるようにはならないのであります。

代表取締役会長 和田弘毅

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