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(44)金、銅、鉛、「そして金属アレルギー」

メディア 日本歯科新聞 掲載日 2004年10月26日

さじかげん (44)金、銅、鉛、「そして金属アレルギー」

 
朝は金、昼は銅、夜は鉛――時間毎の、フルーツを食べる効果ランキングである。
 
 もう十数年前、兵庫県歯科医師会会長であった故・村井俊郎先生方と歯科ペンクラブ主催のFDIツアーに参加した際に宿泊したフランクフルトの高級ホテルの朝食では数十種類のフルーツが所狭しと並んでおり、あまりに充実したバイキングに感嘆した。そのドイツ滞在中に聞いた話である。
 
ノイシュバインシュタイン城からフランクフルトまでバスで移動した後、そのバスの運転手と食事をしたのだが、食事中、運転手は見事な手さばきでナイフ・フォークを使う手をふと止めて、「私の娘は歯科衛生士である」と話し出した。そのときに聞いたのが、先ほどのフルーツの話である。
 
 なぜ歯科衛生士の話からフルーツのランキングの話になったのかは今もって思い出せないが、とにかく、「ヨーロッパの諺では、フルーツは朝に食べれば金、昼に食べれば銅、夜に食べれば鉛となっている」というのである。今では日本人の間でもかなり知られていることであるが、人が良いと言うことは実行し、悪いと言うことはしないでおこうと、深くも考えず、未だに金・銅・鉛を信じてフルーツをいただくようにしている。
 
 金は身体に良く、銅は無害、鉛は悪い、という程度の認識しかないが、鉛については、日本霊異記(中)では「神(たましい)の鈍遅なること鉛の刀に同じく」と記されているし、黒い雨雲を鉛色と言うなど、イメージは確かに良くない。
銅について調べてみると、「銀に次ぐ電気および熱の良導体。湿った空気中では緑青を生じる。」とあり、緑青が問題かと思い調べると、「銅の表面に生ずる緑色の錆。空気中の水分と二酸化炭素が作用して生じ、その組成は塩基性炭酸銅など。有害とされてきたが、ほとんど無害。」となっていた。
 
 次に金であるが、「重く軟らかで、延性および展性に富み、空気中で錆びず、普通の酸に侵されず、王水に溶ける。光輝の美麗なことで、貴金属の随一とされ、貨幣、装飾品、歯科治療材に用いる。」と、ここで初めて歯科用の金属となるのである。
金属アレルギーのことを考えても、歯科治療にも使われる金属については、やはりフルーツ食の評価と結びつかないでもない。また、強精力や味覚を快復させると言われる亜鉛のように身体に役立つ金属もあり、その効果も期待される。
 
 しかし金属アレルギーの研究は、金属工学、電気化学、無機化学といった専門の研究分野があるのではないだろうか。専門家の方にお教え願いたいと思っている。そして、多くの患者様の悩みを解消するために、金属アレルギーは、歯科の分野でもっともっと明瞭でありたいことである。

代表取締役会長 和田弘毅

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