HOME > プレスリリース > (34)知識より想像力が大切
プレスリリース2009年 一覧に戻る

(34)知識より想像力が大切

メディア 日本歯科新聞 掲載日 2003年11月28日

さじかげん (34)知識より想像力が大切

 
 十月中旬、石垣島に別荘を建築された大阪大学名誉教授・丸山剛郎先生が、例年、島の地域住民をお招きしてパーティを挙行するので参加させてもらった。今年は三周年を迎え、地元小学校の校長先生が司会を務める中、地元公民館に記念品(テント)を贈ったり、小学校に紅白幕などの寄付をするなど、すっかり地域に密着した行事に感心させられる一夜であった。
 
 参加者は、夜が更けるにつれ、月の明るさが増すほどに熱っぽく舞い、百名をゆうに上回ったのではないだろうか。南国の人の情熱を垣間見ることができる、素晴らしい行事であった。
 
 そのパーティの後、隣の黒島に渡った。前回、訪れたときに歩いていると、民宿のおばさんが「ニガナの酒漬」を売っているので立ち寄ったが、そのおばさん、宮喜 清さんに今度は島のビジターセンター(国営)で会った。「自分の伝記を明治大学の先生に書いてもらえたので見せる」と言うので、そのヒストリーを読ませてもらうと、島に生まれて結婚し、四十歳でご主人を亡くしてから、五人の子供を抱えて戦後の貧しい苦境生活を切り抜けてきた哲学を、二十箇条ほどの「人生訓」として掲げているのである。昭和三年生まれというから、現在七十五歳。島で海草を採り貯蓄をして三千五百万円の民宿を建て、たゆまず苦労に苦労を重ねて乗り切った結果得た教訓は、「知識より想像力が大切」という哲学であった。
 
 日本の国は南の端、波照間島の次に位置する黒島という、牛を飼って生活をする豊かな土地。苦しい人生の坂を登り続け、やがて下り坂となり楽な人生を味わう頃、他人はその人生を評価してくれたようである。膨らみ続けた想像力の豊かさこそが、生き残りの秘訣だったのかもしれない。日本の最南端で学んだ教えであった。

代表取締役会長 和田弘毅

pagetop