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(32)歯科は早い方がよい

メディア 日本歯科新聞 掲載日 2003年09月30日

さじかげん (32)歯科は早い方がよい

 
 初めてモンゴルに行った。かねがね岡山大学の先生方や神戸医療生協協同歯科の黒田耕平先生(大阪大学卒)が中心となって予防歯科プロジェクトを推進されていると伺っており、昨年参加する機会もあったが、準備が整わなかったため今年に延期されていた。
 ミャンマーでもお世話になった仙台市丸森町の笹川修先生より、「ぜひとも一度訪問するように」と、ウランバートルのエネレル歯科、イチンホルロー先生を紹介いただいた。加えて、「お盆までにモンゴルに行かないと、もう朝晩は2、3度くらいに下がるから寒いですよ」というサジェスチョンをいただいた。
 
 9月4日、ソウル経由でウランバートルに着くと、もう秋の紅葉が始まっていた。
 9月6日より第4回予防歯科プロジェクトが開催されており、黒田先生を始めとする日本人スタッフ、エネレル歯科スタッフほか、モンゴル21県から集まった12名の歯科医師の先生方、衛生士さん、技工士さん、合計30数名が参加されている中、技工製品の紹介や質疑応答などを行う機会をいただいた。
 
 歯科医師不足のこの国では、患者とのアポイントは二ヵ月、三ヵ月待ちになるとのことである。根管治療より抜歯の方が多いため、27歳でフルデンチャーも普通だという。若年者の未萌出歯の義歯や、抜歯後、永年経過して伸び過ぎた傾斜歯にクラスプをかけるケースが多く、ほとんどがそのどちらかであると言っても過言ではない。
 
 パーシャルデンチャーのケースを見てみたが、未萌出のアンダーカットのない歯に線クラスプをかける技術しかない。たぶん何度も何度もやり直すのであろう。クラスプサベヤーなどいらないのに、サベヤーに頼っている。黒田先生の十数年にわたるご苦労が推測できた。
エネレル歯科の院長、イチンホルロー先生(女性)は、熱心な素晴らしい方である。黒田先生のお話では、イチンホルロー先生の代になってからやっと努力が積み重ねられてゆき、成果が上がっているとのことである。
 
 イチンホルロー先生が総括されたお言葉は、「何とか早くできないでしょうかねぇ。歯科の仕事は」というものであった。それに対し、「私も45年間も『もっと早く』と思ってきましたが、もしかすると世界中の歯科従事者が『もっと早く』と思っているのではないでしょうか」と答え、「補綴では理工学(料理学でもよい)と歯牙解剖学が充分マスターできていると早くなるでしょうね」と付け加えた。

代表取締役会長 和田弘毅

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