(29)人間の器
| メディア | 日本歯科新聞 | 掲載日 | 2003年06月10日 |
さじかげん (29)人間の器
先日、韓国・釜山から、具倉守先生という歯科医さんが研修会受講の為、日本にやって来た。会社の近所に韓国料理店「故郷―コヒャン―」があるので、一緒に食事をした。
日本語が大変上手な、北朝鮮の出身者である。もう何十年来の付き合いだから分かりきっているのに、「先生、ビールにしますか?お酒にしますか?」とアルコール類を勧めてしまい、その度に「いや、梅酒を少し。」と答えられる。韓国で彼が指導を受けている医者がいて、内臓の大きさを鑑定してもらったところ、「具さんの肝臓は普通の人よりも特にサイズが小さいから、アルコール類は飲めないでしょう。」と言われたそうだ。
このお言葉に対して、「そうだ!具先生にお酒を勧めてはいけないんだ!」と反省するが、先生の人間の器は、肝臓の器と違って大変大きい。
歯科技術についてどんなことを提案しても、否定されたことがない。確か75才位になり、もう大抵のことは分かっている勉強家なのに、この物事を受け入れる姿勢は、人間の器の大きさを物語っている。肝臓の小さい人にお酒を注ぐと、必ずオーバーフローして病気の現象が表れる。人間の器も溢れるという点では共通している。器の小さい人間に何かを提供して情報を注いでも、拒否反応を示して、「それはできない。」と断る。それ以上に初めから話を聞こうとさえしないのである。
新入社員を迎える季節になり、五月病にかかる人も少なくない。現在の仕事が適切でなかったり、また自分の器に合わなければ、溢れ出す前に辞めるか、他の器を探すか、病気の原因を作らないように転職を図ることが望ましい。
参考までに、国会議員や政治家として成功する人の場合、多くの器、それも大きい器を持っており、優れた能力を有することは確かである。
代表取締役会長 和田弘毅






