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(22)追悼 水野治夫社長「情報の価値」

メディア 日本歯科新聞 掲載日 2002年12月17日

さじかげん (22)追悼 水野治夫社長「情報の価値」

 
 今年最後の「さじかげん」の投稿が、水野治夫社長の追悼文になるとは夢にも思わなかった。
水野氏とは、時々、思わぬ所で突然出会う事の不思議さを感じていた。淡々と会話を交わす人なのだが、会った後には必ず記事に結びついている。仕事熱心な人で「新聞を書くという事は、大変な責任と哲学がないと書けないのだなぁ」と、この人から新聞の価値を教わった。
 
 ある時、名古屋駅で新幹線に同乗した。久しぶりで、携帯電話番号の桁数も増えたから、お互いに名刺の交換をしておこうという事になった。そして翌々週の日本歯科新聞のコラム欄を見ると、何と時の政局の動きと私の名刺の隅に書いてある「歯も心も美しく」を見事に結びつけている。もちろん名刺の持ち主が誰であるかは触れていないが。ただ単に会社の標語として掲げている「歯も心も美しく」であるが、その後、水野治夫社長のおかげで我々は"果たして美しいか…"としばしば反省をさせられるのである。
 
 新聞は関係者、または記事の相手の承諾を得ずに書く。社会的責任を持ち、細心の注意を払って、社会即ち読者の反応を念頭に置きながら記事を書くという事の難しさ、言葉の表現の厳しさがある。従ってその情報の価値は、取材に要した交通費や人件費などの実費以外に大きな付加価値を生み出すものである。
 
 知識と情報が財産になるといわれて久しいが、まだまだ歯科界では情報に金が支払われる習慣がない。受益者にとって莫大な利益を生む情報でも、それは床屋で散髪をしながら得する話を聞いた位にしか評価しない。役立つ良い話を聞いたからといって、御礼を持って行かないのである。
 
 かつて業界団体の理事長を引き受けていた数年間、水野社長はこの業界に限って、新聞を団体割引で半値にしようと提案してくれた。比較的歯科技工界の記事が見られないと言われる中、犠牲を払ってくれた事に報いることができなかった。そのお詫びの意味もあって、現在学校や公益団体等、歯科界でもし団体として、無料配布に甘えている所があれば、質素に会社経営をしている報道各社に購読料を支払って、情報の価値を高めるようお願いする次第である。
 
合掌

代表取締役会長 和田弘毅

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