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(19)歯科医療の快適とは

メディア 日本歯科新聞 掲載日 2002年08月29日

さじかげん (19)歯科医療の快適とは

 
 作家・吉川英治氏の若かりし頃夏の暑い時、夕方仕事から帰ってビールや清涼飲料を飲む豊かな人々を見て作った川柳に、「働いた 俺にはあるんだ 夕涼み」という歌詞を残しているのが思い出される。又JRの昔の客車(列車名)に「そよ風」という名前のあった事も記憶している。
 
 春から夏にかけては風薫る五月があるし、夏から秋にかけては涼しい秋風がある。そよ風位気持ちのいい贅沢な自然の贈りものはないと、日頃この吉川英治さんの言葉を噛みしめているのであるが、省エネルギーの世界、即ち冷房や暖房の人工的な温度調整にはめったに「そよ風」はない。
 
 急に冷やしたり暖めたりする事で、高価なエネルギー移転のわりにその代償はさわやかでない。
 
 快適さを求めるアメニティの世界はかなり贅沢なものであるが、義歯や歯科で作られるものに快適さを求める声は大きくなっている。
 
 歯科の修復物が審美的に優れて色・形ともかなり万全になっている事が、審美学会等でよくわかる。それ等を超越した美しいパール色による輝きや、解剖学的な自然形態よりもっとフラットな光反射や艶を出した煌き等、インプラントで言えば人工物の植立を越えて、骨や肉を作り出す方向へと成長してきた。
 
 しかし、いずれも冷房や暖房のとりあえず冷やす・暖めるという領域を越えて、「そよ風」の様な快適さを期待されている事は事実である。扇風機が良くなってきて冷暖房にプラス「そよ風」がある事を、今年の中国旅行でかの国に学んだのである。
 
 歯科の研究分野に"快適歯科医学"なるものが確立するのはいつの頃になるであろうか?案外早いかもしれない。

代表取締役会長 和田弘毅

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