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(14)やった数には勝てない

メディア 日本歯科新聞 掲載日 2002年02月19日

さじかげん (14)やった数には勝てない

 
 故山根稔夫博士(山口県宇部市出身)の、インプラント動物実験を宇部動物園の協力を得、猿や犬に施術した。その研究の協力をさせて頂いたのは、確か昭和47年頃(1972年)であったと思う。その後、その手術に成功して各地でインプラント実技研修をお手伝いし、試行錯誤の道を歩み、5年位経過した頃、段々と臨床家の間から自信に満ちた声が聞けるようになった。また、歯根膜がないからとか、咬合面をどんな硬さの材料にすれば良いか、歯頚部の衛生状況はどう管理するか等の諸問題にも朗報が読み取れるまでに変化してきたのであった。
 
 インプラント施術の第三者として、どこでインプラント施術のプロになったかということを客観的に見ると、当時はこの種の研修会が皆無に近かったので、「五百症例を経験した歯医者さんが理想的だなぁ」と推測していたものである。
 
あれから約三十年経た今、インプラント学会では、指導医は百症例の経験と位置づけられているが、それ程さように科学的に理論化したことは、インプラント植立のシステムが普及したことを考慮すると喜ばしいことである。
 
 この様な独自の判断基準で、耳鼻科医に「扁桃腺はどれくらい手術されましたか」とお尋ねすると、七千人位だとか、内臓外科医には「お腹の手術はどれ位してこられましたか」とお尋ねすると、三千八百人だとか名医と云われる方はさすがに回数が多い。今や歯科界にも、三千症例を超えるインプラントロジスト、即ち名医が生まれようとしている筈である。一生の間にどれだけ出来るかとなると、パーシャルデンチャーなら五十才の若手でも三万症例を経験した医師が現在の指導的立場に立って、どんな症例をも難症例とせず、それ相応の余病を有する症例以外は、成功をおさめておられるのに感心をする。
 
ちなみに、技工士は排列だけとかクラウンのパターンだけとして捉えると、一日に十床として一年で二千床、二十五年連続で仕事に従事すると五万床、クラウンならパターン一日に二十本蝋形成するベテランは、何と十万本の経験者になる。こんなプロに、未熟な技工士が勝てないのはどうしようもないが、機械化への道は理論や技法以上に待ち望まれる。しかし、これ又限度があり、現在の保健技工料金では、機械のコストをもペイしない。相対的に、機械は高額で能率が悪いものとなっている。

代表取締役会長 和田弘毅

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