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(12)いつまで苦しむ金パラ鋳造冠

メディア 日本歯科新聞 掲載日 2001年10月23日

さじかげん (12)いつまで苦しむ金パラ鋳造冠

 
 もう何十年になるでしょうか。 帯環金属冠 即ち、ニッケルクローム冠が戦後約五十年前に代用合金で盛んに金冠(金合金冠)にかわる白色合金として利用されていた時代… そして金パラ全部鋳造冠が又金冠の代用として保険導入されてから数年前までのデータからすれば日本中で一日に十一万本も作られている金パラ冠は材料が高いと云うより工程の手間暇が全く無視された保険請求料金で一体、日本の歯科界は金額にしてどれ位のボランティアをやってきたか一度試算してみる必要がある。 金属材料メーカーもそれを販売する歯科材料商も材料を使って技工物を作る歯科技工士も又技工所もそして最後にこれらを支台歯形成、印象採得、セットする歯科医師も、みんな半額以下の悪条件で何十年も金パラ鋳造冠にいどんできた。
 
 この歯科界こぞっての不採算、ボランティア補綴物を数字で持って、いくらの超奉仕をしているか?もしかしたら計算機を使っても 桁数が足りない程の金額を国民に奉仕してきた筈である。まさに日本の歯科界を世界から見た七不思議の筆頭ではないかと思う。仮に今一万円で保険請求されている金パラ全部鋳造冠が正しく評価され、歯科医院が一時間半要したクラウン一本の院長コストは一万八千円、技工士が一時間要したコストは三千円であろう。さすれば人件費の倍が売価である。 常識からすれば歯科医院は三万六千円、歯科技工所は六千円が最低の患者様支払料金であるべきである。プラス金属代として平均一本3gとしても、たかだか三千円前後位とみる。 その上、絶対に主張したいのは今でも金パラ冠金属代も金冠も加工の工程における人件費に比べれば、どちらを使っても大同小異ではなかろうか。
 
 しかし、治療をうける患者は違う。 金パラと金合金では色からして機能からしてやさしく、明るく柔らかいのは金合金である。こんなことは歯科人なら誰でも知っている常識である。話は金額に戻るが、例えば一万円で国に請求されている金パラ冠が四万円の適正価格から差し引いて三万円の損失を国民に奉仕したとしたら一日三十三億円の奉仕をし、もしそれが十年間続けば、一年二百日としても十年で二千日は六兆六千億円にもなり、歯科医、歯科技工士は歯科界の売上が三兆円と多めに見積もっても十年のうち二年間は只働きした事になる。金パラ冠だけでも国民や政府にこの実状の理解を求めてもいいのではなかろうか。
 
 さて、エビデンスのない戦いは勝てない時代である。私どもでは国の障害者雇用の助成金を貰って作ったクラウン専門のラボクラウンセンターがあります。そこでは日産千本を目指しこの六年間金パラ冠と闘った末、絶対に不当なこの金パラ冠料金に、けじめをつけて貰いたいと申し出たい。

代表取締役会長 和田弘毅

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