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塩田博文先生による保険義歯臨床のワンポイント講座
 
大きさについて
義歯は大き過ぎるより小さい方がマシということは患者さんも含めて、異口同音です。しかしながら、吸着が義歯成功のポイントで、それ無しには患者さんに受け入れてもらえる良質な義歯とはいえない、と考えられている先生は多い。

確かにこの吸着を求めることの意味は認めますが、吸着しても最大開口時に上顎が落ち、下顎義歯が浮き上がるのは受け入れがたい義歯となってしまいます。

時に大き過ぎてある時点から吸着がキャンセルされてしまうことが結構あります。こういった場合はやはり大き過ぎると判断しなくてはなりません。

下顎義歯の過長による浮き上がりについて、開口時に浮き上がる場合、前歯部前庭、または顎舌骨筋線下部が過長であることが多く、どちらが過長かを特定することが難しい。
どちらが過長かを判断するには、下唇を術者の指で開いて開口してもらい、浮き上がらなければ前歯部前庭が過長という判断ができます。つまり顎舌骨筋線側ではないということになります。
もちろん顎舌骨筋線側と前歯部前庭の両方が長いということもあります。
とにかく調整はゆっくり削っていくことが重要です。

症例1(新義歯が旧義歯より重かったケース)
 
  左が旧義歯、右が新義歯

 
旧義歯21.0g   新義歯26.0g

 
新義歯をスリムにすると24.2g
調整前は5.0gの差があったが少しスリムにすると1.8g軽くなった。この差は、患者さんの評価が大きい。
 


症例2 (上顎総義歯も不調だが、下顎の痛みが治らなかったケース)
 
  左が新義歯、右が旧義歯

 
旧義歯上顎。粘膜調整材のせいもあったかも知れないが、28.5g   新義歯上顎19.0g

 
旧義歯下顎12.4g   新義歯下顎18.2g

 
新義歯下顎が5.8g重かった。その差は高径と床外形にあった。側面観は旧義歯と比較して新義歯がかなり高い。
患者さんはこれまで何度も通院し、何回作り直しても、痛みが取れなかったそうで、新義歯装着翌日の予後が良好ということでとても感謝された。

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